家電量販店やメーカーのカタログで、オープン価格という表示を見かけた事はありますか?
オープン価格ではなく定価を記載してくれたら商品比較が簡単に出来るので嬉しいですが、オープン価格と書かれています。
そもそも、オープン価格って、なんやねん!って感じですよね。定価とオープン価格何がちがうんや!?その辺りを今回は調べてみました。
目次
オープン価格の意味と定価との違いは?
なぜオープン価格が一般化したのかというと、昔は希望価格かそれに近い数字で販売していました。
しかし、近年ディスカウントが増えた結果、小売希望価格から大きく違った価格で販売されるようになりました。
それで、小売希望価格は実勢を表さない意味のない数字になったうえに、消費者に誤解を与えることになりかねないということで、
『オープン価格』が登場したというわけです。
オープン価格とは
販売する商品に対してメーカー側が希望小売価格を具体的に定めていないものを言います。
メーカーが出荷価格だけを仮決定し、価格の設定は卸売業者や小売業者に任せるのをオープン価格と言うんですね。
一方、定価とは
あらかじめ決められている値段のことで値上げや値引きが一切されていないものです。
ただし、オープン価格を理解するためには定価よりも希望小売価格の意味を十分つかむ方が大切ですね。
わかりにくいオープン価格と希望小売価格
では、次に希望小売価格について見てみましょう。
メーカーが独占禁止法により小売価格を決めることは原則禁止されています。
そのため、メーカー側が提示する価格は『小売希望価格』と言います。
この価格は小売店に対して全く拘束力が無いので小売希望価格なのです。
希望小売価格と定価は混同されがちですが、実は違います。なぜなら希望小売価格はあくまでメーカー側が『希望』する価格だからです。
そして、その価格には拘束力がありません。
したがって最終的に輸送コストやその他の費用などを加味して価格を定めるのは小売店なのです。
例えば、自動販売機の清涼飲料水についてですが、メーカー希望価格が130円だとしても、観光地等に行くと150円や200円で売られたりしていますよね。 それは高い輸送コストを反映しているのです。
オープン価格ですから、現地の小売店が販売価格を決定しているわけです。
重要なポイントは、オープン価格はお店が決め、希望小売価格はメーカーが決めます。ただし、希望小売価格には何の拘束力がありません。
何故オープン価格は家電に多いの?
家電にオープン価格が多いのには理由があります。
それは1980年代頃に起きた「二重価格表示問題」です。
どういうことかというと実際は1万円が市場相場なのに「希望小売価格2万円から50%オフ!」なんて宣伝された日には、消費者として何だかおいしい話だと思って騙されちゃいますよね。
それが、1980年代頃に値引き競争の激化に伴い家電業界にたくさん起きてしまったのです。
そこで、公正取引委員会が「製品の価格を実際の市場価格に近づける努力をすること」との通達がなされ、メーカーも最初から市場に価格を任せるということで「オープン価格」が採用されるようになりました。
その流れで、家電業界にオープン価格が多いのです。
[ad#ad-1]
消費者から考えたオープン価格のメリットとデメリット
消費者にとってのメリットは簡単に言えば
「だまされない」ということです。
つまり、上記にもありますが、
もし「希望小売価格2万円から50%オフ!」なんて宣伝されていたら、心がぐらつく人けっこういるのではないでしょうか?
そういうことがオープン価格によって無くなります。
デメリットとしては、
- 実際に店頭に行かないと価格がわからない
- 販売店によって価格に差があるため、消費者が損をすることがある
といったことがあります。
オープン価格に関するまとめ
オープン価格の消費者側のメリットはだまされにくいという点です。
お店が決めて価格を決めて販売することが可能です。
そのため、メーカーのカタログには「オープン価格」としか記載されていないのです。
メーカーは販売価格を決めることができませんから。
結果的に、消費者は価格を調べるために実際に販売店に行ったり、インターネットで調べる必要があります。
想像するとわかると思いますが、販売店によって価格に差がある場合には、当たり外れにやられてしまう場合がありますよね。
「A店では10000円、B店では9000円でB店で買ったのに、たまたま親戚を訪問したときに立ち寄ったC店では7500円だった」
なんてことが起こりえるのです。ちょっと残念ですよね。
メリットとデメリットを比較すると、オープン価格は消費者側にとってはあまりメリットが無いように感じます。そう思うのはわたしだけでしょうか?